2011年4月 5日 (火)

浪江町、飯館村に避難勧告(退去命令)を

第一30キロ地点で年間許容量10倍の放射線 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110404-OYT1T00550.htm

ここにある通り、浪江町の積算被曝量は10ミリシーベルトを超えた。少し前の情報では、飯館村でも5ミリシーベルトを超えていた。これはもう屋内退避で済む問題ではなく、今後も直ちに放射線量が減る事はないから、政府はIAEAの勧告に基づき、これらの地域の住民に避難勧告(もしくは退去命令)を出すべきである。

京大の今中哲二 助教(原子炉工学)は、飯館村の広範囲で放射線量の測定を行い、その放射線量が、チェルノブイリ事故で強制移住となった地域の放射線量を軽く超えている事を明らかにしている。
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20110328000068(京都新聞)
「1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故で強制移住対象とした148万 ベクレルの2倍超、90年にベラルーシが決めた移住対象レベルの55万5千ベクレルの約6倍だった」

浪江町での被曝量はそれどころではない。余談ながら、2ちゃんねるには、浪江町に残った住人が、放射線量の高いらしい海岸に行くと鼻血が出た、とか、朝起きると鼻血が出た、と書き込んでいた。写真付きだから、そこにいる事は嘘ではない。

先日、政府は気象庁に対して、IAEAに提出していた放射性物質の拡散予測を公表するように指示した。それはよかろう、しかし、拡散予測も行い、かつ、文部科学省のように、放射線量の測定も行っていながら、何故今も避難勧告を20km以内と距離で決めるのであろうか。爆発が起こってからかなりの日数が経った。まだ距離にこだわった避難勧告しかしないようであれば、予測も測定も、政府は自らの意思決定のために使っていない事になる。国民には遅れた情報で自主判断をさせ、避難の費用を国なり東電が負担しない構図である。

屋内退避は、一時的に空中の放射線量が高くても、放射性物質が降り注がない場合には意味があると思う。しかし、雨などの影響で、放射性物質が多量に土壌に降り注いでしまった事が明らかな場合、屋内退避では意味がない。生活のためには、屋内退避には限度があり、生活し続ける事によって確実に被爆が進行する。

なお、気象庁が政府の指示を受けて放射性物質拡散予測を公表した件は、必ずしも気象庁が悪い訳ではない。気象学会会長の名前で、学会員に対して、予測を公表しないように圧力がかかっていたのだ。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj/others/News/message_110318.pdf
これには政府も関係したのではないかと私は勘ぐっている。

今中先生らのチームの暫定報告書は、他の研究者も賞賛していたので是非読まれたい。
「3月28日と29日にかけて飯舘村周辺において実施した放射線サーベイ活動の暫定報告」
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/iitatereport11-4-4.pdf

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東電株主は清水社長の解任動議を

東電の清水社長はいつまで雲隠れの状況を続けるつもりか知らないが、間もなくやって来る株主総会はまず乗り切れないだろう。

それは単なる辞任圧力という生易しい問題ではなく、清水社長の解任動議が出るのではないか。むしろ、ここまで職務を遂行できない以上、解任動議を出すのが健全な株式市場である。

原発事故は、奇しくも3月という、多くの株主にとって決算期最後の月にあたってしまった。持ち合いで東電の株式を持っていた株主達は、今年度、多額の評価損の計上を迫られるだろう。
Yahoo!ファイナンスの非リアルタイムな情報を見るに、2010年(2011年ではない)3月時点の大株主は、
・ 第一生命 4.07% (1375億円)
・ 日本生命 3.90% (1320億円)
・ 東京都 3.15% (1066億円)
・ 三井住友銀行 2.66% (898億円)
・ みずほコーポレート銀行 1.76% (594億円)
・ 三菱東京UFJ銀行 0.98 (330億円)
となっている。(東電の持株会は除く。)
この時の株価は2500円である。2011年3月31日の時価は442円なので、一年前の17.6%に目減りした。
三菱東京UFJ銀行などは、2009年度以前は東電の株式を保有していなかったようなので、まだ東電株を持っていたなら、特に貧乏くじを引いた。投資から一年あまりで271億円の価値が失われたのだから。(営業部長の責任問題にならないだろうか?私は従来より、銀行のこういう政策的な株式の持ち合いには反対である。)

更なる株価下落は十分に考えられるし、実際は、株主が決算の監査を受ける間にどんどん下落して行くことになるだろう。どう考えても東電株の評価損は計上しなければならない。このような甚大な被害を出しておきながら、社長が表に出て来ず、それが要因となって更に株式の売りを加速しているならば、株主としては解任動議を出すのが筋である。ここでもし大株主が反対に回るなどして社長が解任されなければ、株主持ち合いの弊害と言うしかない。

もし国が公的資金を投入するなら、国が解任動議を起こしてもよい。東京都が解任動議を起こしてもよいだろう。

余談ながら、もし清水社長が、全てをやり過ごして今後も東電マンとして生きて行こうと考えていたらであるが、それは社内政治的にもう無理だろう。

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2010年11月 6日 (土)

尖閣ビデオは公開すべき。北朝鮮工作船の時は公開した。

尖閣諸島付近で中国「漁船」が巡視船に追突したビデオがYoutubeにアップロードされ、問題になっている。アップロードされたこと自体は、データの取り扱い上認められる事ではないと考える人が多いと思われるが、第一に問題なのは、ビデオを公開しないという政府決定が法に則したものではなく、同時に、過去公開された例と整合性がない、ということである。

まず、法に則していないという点について。裁判のための証拠物だから公開できないとされているが、刑事訴訟法には、「公益上の必要その他の事由があって相当と認められる場合はその限りでない」という規定がある。これは例外を規定したものというよりは、「本状本文は、訴訟に関する書類が公判開廷前に公開されることによって訴訟関係人の名誉が毀損され、公序良俗が害され、又は裁判に不当な影響が引き起こされるのを防止する趣旨である」(最高裁S.28年7月18日判決)。日本の領海におけるこのような外国人による事件を公開した所で、誰の名誉が毀損される事もなく、公序良俗が害される恐れもない。事実であるから、裁判への不当な影響も考えられない。従って、仙谷が言う「原則非公開」というのは、刑事訴訟法の条文、あるいはその理念の解釈として、完全に間違っているのである。
ましてや、問題の船長は不起訴となったのだから、今後、「証拠物」になる事はなくなった。よって、非公開にする理由は、いまや全くない。

次に、過去の例との整合性がないという点について。2001年、北朝鮮の工作船が日本のEEZ内で発見され、海上保安庁の巡視船に機関銃やランチャーで攻撃、巡視船による正当防衛の反撃を受けて自爆・沈没した事件があった(Wikipedia 九州南西海域工作船事件)。この時の一部始終を収めた海上保安庁のビデオは公開され、マスメディアを通じて流され、強い衝撃とともに国民の記憶に残った。(なにしろ、戦後、日本が武器で攻撃された初めての事件だったし、工作船が日本海に頻繁に出没している事が広く知られたのだ。)何故北朝鮮の場合は公開し、中国の場合は非公開になるのか。最近の例では、シーシェパードが日本の捕鯨船を攻撃した際、日本鯨類研究所が捕鯨船から撮影したビデオ映像を独自に公開したが、これは問題にならなかった。

更に付け加えると、北朝鮮の工作船の乗組員は、身元不明のまま起訴され、シーシェパードの事件でも、捕鯨船に乗り込んできたベスーン船長は起訴された。ビデオは証拠になったが、公開された。

これらを踏まえると、尖閣事件のビデオを公開しないという民主党政権の決定は、間違っている。その背景にあるものは、中国への遠慮、いや、屈服としか説明できない。当初、前原外相も、中国の船長の逮捕及び立件は当たり前と言っていたのだ。結局、不起訴という理不尽な決定がなされた時、現場で命を張って職務を全うした海上保安庁の職員に、強烈なやるせなさが渦巻いた事は想像に難くない。公開したのが政府職員なのか分からないが、いずれにせよ、ビデオの公開は自浄作用と言って差し支えない。ビデオを公開した人間を立件するべきではないし、それをするのなら、中国人の船長をまず立件すべきだ。

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2010年10月 7日 (木)

尖閣の中国漁船ビデオ

問題の漁船のビデオは、中国への配慮という形で非公開になるそうだが、
思い起こせば、北朝鮮の工作船に海上保安庁の船が銃撃された時は、
すぐに映像を一般に公開していたものだ。

悪質度は中国漁船(これも漁船の姿を借りた軍の船だが)も相当のものだが、
中国なら公開不可というのは許し難い。

日中関係への風見鶏的な「配慮」は、
単に外交戦略で負けているだけでなく、国民の支持をどんどん失って行くことが分からないのだろうか。
いや、分かっていても、中国に日本を捧げたい人たちが民主党なのだろうか。

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2010年4月25日 (日)

子ども手当:国内居住要件は人種差別ではない

外国に居住する子供への手当に対して、禁じるべきであるという議論があり、これにいち早く民団が「人種差別だ」として反論した。国連人権委員会にまで書簡が送られたらしい。

しかし、こういった馬鹿げた反論に対して、政治家、官僚、世間一般から、今ひとつきちんとした反駁、あるいは、子供手当制度の趣旨の説明がなされていない。まるで、「人種差別」という魔法の言葉を浴びせられて思考が停止しているようである。この件は後で英語で書きたいのだが、今のところは簡単に日本語でメモしておく。

・子供手当制度の目的は、養育費のかかる世代を助ける事で日本国の経済力を押し上げること。長期的にも人口バランスを整える意味がある。マクロ経済の定式が示す通り、GDPは、主に国内での消費、投資、貯蓄の合計である。外国に送金されて消費されても、日本経済には何も貢献しないどころか、マイナスである。よって、目的に照らして、国内居住要件は人種差別ではない。むしろ必要要件である。効果がない分野への財政出動は、むしろ断罪(民主党の言葉で言えば、仕分け)されるべきである。

・子供が仮に日本国内に居住していても、特別永住者を除く外国人の子供の養育に、手当を出すのは止めるのが妥当である。親の仕事などで一時的に滞在する家族が多いと考えられ、この層の個々は日本の持続的経済成長には寄与しない。

・元々人間関係的に縁がなかった海外の子供(特に、発展途上国)との養子縁組は、それ自体が対象外である。なぜなら、こういった行為は、原則的に、養父母のボランティア、人道援助だからだ。血縁関係のない養子については、国内居住を要件とすべきである。

・費用対効果。特に海外の養子の場合、分かり切った事は、子供手当の申請者がほとんどを中抜きし、貨幣価値の小さい国へ見かけ騙しの送金をする程度だろう。つまり、効果どころか、費用面でも著しく原則を逸脱した決定(=一律定額支給)がなされており、許し難い。

まとめると、外国人の海外に居住する子供への支給は全て中止すべき。正式一時滞在中の外国人の、国内に居住する子供についても、支給しないのが妥当。日本人による海外養子縁組も対象外。

こういった制度を悪用する人種は大概決まっているようで、その所為か、民主党(長妻)はこの法案を穴だらけのまま押し切った。歴史に残る悪政である。

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2010年2月 8日 (月)

衆議院からアクセス

ちょっとお知らせ。

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2009年11月25日 (水)

「為替介入しない」と世界に発信する民主党のド素人ぶり

民主党がまた為替対応で無知ぶりをさらけ出した。
藤井財務相に続き、こんどは野田佳彦財務副大臣が、
本日86円を記録したドル円相場について、
「為替介入は現段階で考えていない」とロイターにコメントした。

腹の中でそういう理念を持つのは結構。
しかし、これを事前に発言するのは、ドル売りディーラーに保証を与える
のと同じで、彼らはその結果、安心して円ポジションを取る。
そして、ますます円高が進む。

結果的に、これは投機への障害を取り除いている、一種の相場操縦であり、
交易条件、経済条件に為替を一任したいという理想を踏みにじっている。

政府は過度な投機への無言の圧力は常に持つべきであるし、
「今のレベルではまだ円高ではない」といったシグナルを、一担当者がその場の
でまかせで答えるべきではないのだ。敢えてデマカセと言おう。野田は
もちろん、藤井であろうとも、経済にも国際金融にも無知すぎる。
そして、戦略がない。

民主党の経済政策には相当失望している。

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2009年10月18日 (日)

朝鮮学校無料化の隠れ蓑としての「各種学校無料化」

毎日新聞が報道した、高等教育を行う各種学校の無料化と、外国人学校の無料化の詳細は、このようなブログに既に詳しい。
http://specialnotes.blog77.fc2.com/blog-entry-2826.html

これによると、高専、調理師、美容師などの各種学校の他、朝鮮学校やインターナショナルスクールが対象となる予定らしい。このブログでも指摘されているように、民主党の目的は朝鮮学校の方にあり、大見出しに上がっている高専は、「各種学校」という枠組みを作る為に必要な一番の言い訳といえよう。その一つの状況証拠は、朝鮮総連が民主党への工作を行っている事であるし、鳩山夫人の出自の問題でもある。
http://specialnotes.blog77.fc2.com/blog-entry-2835.html

面白いのは、各種学校というのにはかなりの種類がある一方で、報道によれば、そこに収まらないブラジル人向け無認可校は含まないという事だ。また、日本人が多く通う私立高校への助成金にも言及がない。各種学校を対象とする前に、本筋の高等教育を行う私立高校を先に考えるのが筋というものだろう。朝鮮人学校の存在意義は、民族教育であり、反日教育であり、在日3世、4世と世代が進んでも、同化の意志がない人たちの為の教育機関である。以前何かの報道番組で見た事があるが、金正日「将軍様」を讃える歌を毎朝歌うところもある。そもそも、国家を挙げて反日運動を行っている北朝鮮の末端機関といえる朝鮮人学校を、日本の税金で賄うのは、セキュリティー上も大きな間違いだ。

各種学校に話を戻すと、wikipediaには次のような例が、校名という形で載っている。

予備校等
校名の例として、○○予備学校○○校、○○予備校、○○塾○○校、○○ゼミナール、○○セミナーなどがある。
服飾・料理関係
校名の例として、○○ファッションスクール、○○服装学院、○○洋裁学院、○○裁縫女学校、○○編物学院、○○服飾アカデミー、○○料理学院などがある。
看護系
校名の例として、○○准看護学院、○○看護学院、○○助産学校などがある。
事務関係
校名の例として、○○経理学校、○○珠算学校、○○珠算学院、○○タイピスト養成所、○○簿記学校などがある。
語学関係
校名の例として、○○外語学院、○○日本語学院などがある。
インターナショナル・スクール
校名の例として、○○朝鮮初中高級学校、○○インターナショナルスクールなどがある。
自動車教習所
校名の例として、○○自動車学校がある

そもそも、この多くを無料にする必要があるのだろうか。高等教育無料化として正当化できるのは、せいぜい、高等学校と高専、及び看護学校くらいのものではないだろうか。「各種学校」というお題目的な枠組みすら、非常な無理があり、しかも対象に朝鮮人学校を入れるのはあり得ない選択である。

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2009年4月29日 (水)

パナソニックの駐在員家族への帰国指示は時代錯誤

豚由来の新型インフルエンザの流行を見据え、日本の企業数社、例えば、パナソニック、ホンダ、ヤマハが、駐在員の家族への「帰国指示」を出したと報道されている。

パナソニックの場合は、欧米を除くほぼ全世界に居住する家族に、9月末までに帰国するようにと指示を出した。大流行を予測しての事だという。

しかし、これは今の段階では過剰反応であると思われるし、少なくとも、会社が非従業員を「指示」する権限などないという意味で、私はこういった対処は時代錯誤だと思う。

まず、前者から言えば、流行が予測されても、毒性については普通のインフルエンザにきわめて近い可能性が結構ある。また、その点についての科学的見極めをしないで決定しつつも、期日を9月末と長く取っているのは整合性がない。

もっと問題の後者であるが、駐在員の家族は、その駐在員が働く会社のものではない。よって、指示する権限などあるはずがない。それは、一部では家族によかれと思って下した決定かもしれないが、そんなものは余計なお世話であって、リスクと現地生活をたたむ不利益を天秤にかけて、その家族自身が決めれば良いのだ。特に、駐在員の配偶者が別の現地企業で働いているとしよう。その配偶者は、別の会社と契約する労働者である。インフルエンザが流行するからと言って、むやみに自分のキャリアを無視されて帰国させられるとしたら、非情どころか人権の無視である。

所詮、日本企業にとって、駐在の派遣とは、家族丸ごと面倒を見るイベントであり、配偶者に想定するのは専業主婦なのだろうか? 反論としては、駐在員に通常の帰国命令が出たら、家族も帰るじゃないかというものが考えられる。しかし、駐在員が派遣される時は配偶者も同行したかもしれないが、通常でも帰国時はそうとは限らない。例えば、大学に通い続けたり、仕事の区切りが悪いという理由で、配偶者が駐在員より帰国を一年遅らせる事だってあるだろう。

5月17日補足:
ついに日本でも、二次感染がいつの間にか拡大していることが発覚した。アメリカでの2週間前と同じ地点に立っている。今更の帰国指示に、何の意味があろうか?むしろ、無用な人間の移動は、どちらかと言えば、感染者拡大に作用するはずだ。どうする、パナソニック?

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2008年12月 9日 (火)

朝日新聞の逆切れ記事

ここしばらく驚くのは、朝日新聞の執拗な麻生攻撃である。漢字の読みについては報道も分からないでもないが、その取り扱いの大きさ(asahi.comならトップ数行以内の記事)と、嫌らしさは格別である。ニーチェが現代に生きていたら、メディアに先導されるルサンチマンを見て、驚くのではないか。

特に私が気になるのは、「xx日の首相」と題された、首相の言動を報じる記事である。首相の発言を一つ切り出してタイトルにし、まるで首相が幼稚で正当性のないことを言っているかのような印象に仕上がっている。実際はそうでもなく、普通の受け答えにすぎなかったり、あるいは、朝日の記者の間抜けっぷりを揶揄した一言であったりするのである。つまり、前者は印象操作、後者に至っては、それを逆切れして報道しているのである。これが最近まで日本の主流紙の一角にいるのは日本の恥といえよう。口調としては、夕刊の「素粒子」に見られるような、理解浅はか、論理支離滅裂、一つで全てを歪曲して一般化、最後に強烈なルサンチマンを加えて世の中を斜めに見て、一人で勝者ぶっている態度と共通している。

12月2日の記事は
「「あんた、ひっかけようと思ってるわけ?」 2日の首相
【道路特定財源の一般財源化】

 ——さきほど与党道路PTの谷垣座長が官邸にいらっしゃって「だいたい我々、PTの方向と言いますか、そういうのを総理は了解して頂いた」とおっしゃっていましたが、これは総理は既存の7000億円の交付金を止めて、公共事業に使途を限定した新しい交付金を了承したということでよろしんでしょうか?

 「あのー、いま、まだ、そこのところは、最後の詰めができていないと思いますね。途中経過を聞いたというだけで、途中経過をすべて答えるというわけにはいかない。はっきりしてるんじゃないですか? そんな深刻になるような話じゃない。はっはっ(笑)」

 ——総理がかねておっしゃっていた自由に使えるお金とは………

 「それは全然別の話です」

 ——別というのは地方交付税を念頭に置いていると。

 「基本的には……。何回も言わせないで、お願いだから。何か、あんた、ひっかけようと思って聞いてるわけ? あのね、もう1回言いますから、これ、最後にしようね。ずーっと同じ質問してるんだから。ぼくは、ずーっと、同じことしか言ってない。地方に使いやすいカネというものを1兆円というものを申し上げているんであって、いろいろ、みなさんが、例えば、公共工事って言ったって、地元、しさん、負担分のお金を払うことがありませんから、ね? だから、(記者に向かい)蔵前さんって言ったっけ? あの、蔵本さんだったっけ? あの、ところでも、そういうような問題あるはずだから、そういったときに、公共工事は、とても負担ができないからできません、というところってのは、地方を歩いてみたら、分かりますよ、ね? 東京ばっかりいないで、地方を歩くと分かるから、その、歩いてみれば、そのお金が出てくるから、だから、そういう風に自由にできるようお金をしてくださいと。だから、地方には、なるべく自由に使えるお金、というお話をしているんであって、それが、あれとは違いますか、と言ったって、僕の言っていることは、ずーーっと、同じことしか言っていません」

【米新政権】

 ——総理、総理。

 「もう、いい加減にしろ」

(以下省略)

これを見て思うのは、記者は首相の時間を無駄にしている。噛み合ない質問されて、一言文句をいわれたのは朝日新聞。名指しで。それを逆切れ風に堂々書いて出るところに感心する。

12月4日の記事は
「一般財源化「だから、途中経過です」 4日の首相

【道路特定財源の一般財源化】

 ——今まで谷垣氏(自民党道路特定財源の一般財源化に関するプロジェクトチーム座長)と自公の政調会長とお話をされていたようだったが、どのような内容だったのか。

 「えっーと、例の道路特定財源関連の1兆円の話について、与党プロジェクトチームの途中経過を聞いた、というところです」

 ——途中経過ですか。自由に使えるお金だとか、いろいろ話があったと思うが、いま現在どういう状況でしょうか。

 「だから、途中経過です」

 ——途中経過。

 「決まんのは月曜日でしょ。来年、来週の与党政調が最終的に決まんのは月曜日だと思います」

 ——それまでは、こちらで話すことは出来ないと。

 「はい」

これは首相の対応も言葉足らずだったかもしれないが、はじめから言いたいことは、「まだ決定に至っていない」ということなのだろう。それをあれこれ説明する段階ではないと。

12月9日は
「「おちょくってるようでごめんなさいね」9日の首相」

 【党内からの首相批判】

 ——総理、党内で若手中堅議員がいろいろな会合を開いておりまして、中には公然と総理の政権運営を批判する議員も出てきていますが、どのように受け止めてらっしゃいますか。

 「あのー、正直申し上げて、僕はどういう話をされてんだか知りませんけど、そら総理に対する質問? 総裁に対する質問?」

 ——……。

 「そういうの、ちゃんとさっと答えきるようにしとかなきゃだめよ。ね、あのー、正直言って、総理に対する質問なんでしょう、今の場合は。おちょ、おちょくってるようでごめんなさいね。なんとなく総理と総裁の区別ついていない質問が最近多いから言っただけなんだけど、あのー、いろんな意見が出るのはいいことだと思ってますよ。正直な、正直申し上げて。あのー、そのなんか、いろいろな動きのマイナスの面ばっかりじゃありませんから。あなたの話聞いてると、すべてマイナスの面にしか聞こえませんけれども、がんばれという声も別にあったりしますから、僕はいいことだと思ってますけれどね。いいです」

これはどうか。記者はむかっとしたのかもしれないが、これまでの質問の方がよほどむかっとするだろう。この程度で「おちょくってるようでごめんなさいね」をタイトルにするのは、朝日が自分に非はないと言っているように見える。それが大人気ない。探せばまだまだあるだろうが、今回はここまで。もう一つ、これらの記事の特徴をあげると、
——総理、総理。
とその反応 
例)
「もう、いい加減にしろ」
(首相、立ち去る)

で締めているものがあるということ。これは実況中継の範囲を超えている。内容がないのだから、書く必要もない。しかし、「俺(記者)をあしざまにして」とか、「無能な首相が逃げていくよ」という「やりきれない」雰囲気を醸し出すことに成功している。ジャーナリズム失格であることは言うまでもない。

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